さわやかなレモンティのような華やかな香り、G2のなかでも、香りの強度は高く、ブレンドでもシングルでも使いやすいウォッシュトをお求めの方にお勧め。
荷姿1200kgフレコンもございます。荷下ろし可能な場合は別途お見積り致しますので、お問い合わせフォームにてお問合せください。
▼イルガチェフェ イディド
イディドは、エチオピア南部・ゲデオ地方のイルガチェフェに位置する山間の集落です。イルガチェフェの町から東側の山地へ入った場所にあり、標高およそ1,900~2,400mに広がる高地のコーヒー産地として知られています。急斜面と谷が連なる地形、昼夜の寒暖差、雨季と乾季のはっきりした気候が、コーヒーチェリーをゆっくりと成熟させます。
この地域では、小規模農家が家の周囲にある「コーヒーガーデン」と呼ばれる畑でコーヒーを育てています。畑にはコーヒーだけでなく、エンセーテと呼ばれるバショウ科の食用作物、果樹、豆類、野菜、在来の樹木などが一緒に植えられています。
背の高い樹木が強い日差しを和らげ、その下にエンセーテ、さらに低い層にコーヒーやその他の作物が育つ。これは、ゲデオの人々が長い年月をかけて受け継いできた多層型のアグロフォレストリーです。
コーヒーは農家にとって重要な現金収入源ですが、畑そのものは家族の食料と暮らしを支える生活の場でもあります。つまり、この土地のコーヒーは、単独の換金作物というよりも、人々の暮らしと森のような農地の中で育てられている作物なのです。
収穫期のイディドでは、午後になると周囲の農家から摘み取ったばかりのコーヒーチェリーがウォッシングステーションへ運び込まれます。
農家ごとの収穫量は決して多くありません。家の周囲や山の斜面に点在する畑から、熟したチェリーを選んで手摘みし、袋や籠に詰めて集荷場へ持ち寄ります。ここで何軒もの農家の収穫が集まり、「イディド」という一つの地域ロットが形作られていきます。
受け入れられたチェリーは、水を張った槽で選別されます。未熟果や乾燥した実、比重の軽いチェリーは水面に浮き、充実した実は沈む。この最初の選別が、カップの透明感を作る出発点です。
選ばれたチェリーは、鮮度が落ちないうちにパルパーへ送られ、赤い果皮と果肉を取り除かれます。果肉を外した直後の種子には、ミューシレージと呼ばれる粘りのある糖質層が残っています。これを発酵槽でゆっくりと分解し、頃合いを見て水洗します。
発酵を終えたパーチメントコーヒーは、細長い水路へ流されます。
作業者は水の流れを利用しながら木製の道具で豆を動かし、比重の違いによって選別していきます。よく充実した重い豆と、軽い豆、欠点につながる豆を分け、表面に残ったミューシレージがなくなるまで丁寧に洗います。
この水路で洗われる、淡い乳白色のパーチメント。その風景こそが、イルガチェフェのウォッシュドを象徴する精選風景です。
洗い上げられたパーチメントは、アフリカンベッドと呼ばれる高床式の乾燥棚へ薄く広げられます。乾燥中も作業は終わりません。豆が重ならないよう何度も手で攪拌し、欠点豆や割れた豆を目で見つけて取り除きます。
強すぎる昼の日差し、夜露、突然の雨を避けながら、豆の状態に合わせて広げたり、覆ったりする。表面だけを急激に乾かさず、内部の水分を少しずつ均一に抜いていくための管理が続きます。
こうして乾燥を終えたコーヒーは、パーチメントに守られた状態で休ませた後、脱殻・選別を経て輸出用の生豆になります。
カップには、ジャスミンを思わせる清楚な香り、ベルガモットやレモンのような明るい柑橘感、白桃を思わせる甘さが現れます。
熱いうちは花と柑橘の印象が鮮明に立ち、温度が下がるにつれて、白桃や蜂蜜、上質な紅茶を思わせる甘い余韻へ移っていきます。華やかでありながら香味の境界が明瞭で、口当たりには濁りがありません。