※麻印字がDestination Australia となっておりますが、本来AU向けの契約貨物を急遽日本に向けたため、ご理解頂きますと幸いです。また商品先物オペ、為替ヘッジ等の取引を行い価格競争力を付与しています。
十分な量を確保しており、欠品予想は来年9月頃です。
▼アル カマリア
イエメンの首都サナアの旧市街では、日干し煉瓦造りの美しい世界遺産の街並みが広がります。海のシルクロードと呼ばれていた、インドと東アフリカ、そして地中海に至る、貿易の中継地として栄華を極めたころの面影を残しています。そういった建物にはカマリア窓と呼ばれる、色鮮やかなステンドグラスのような半円の窓が作られています。(カマリアは月という意味のカマルという言葉から派生した)カマリア窓にアラブの強い日差しが差し込むと、柔らかなステンドグラスの色を室内に描き出します。これがイエメンコーヒーの鮮やかなそしていろいろな香りが感じられるコーヒーの特徴とも重なり、「アル カマリア」という名でブランド化されました。
▼イエメンのコーヒー
イエメン東部の急峻で、岩肌が露出した険しい山岳地帯でこのコーヒーの栽培は行われています。白い日干しレンガを積んだ農家の家が谷に添って点在しており、この土地にしかない独特の風景が見られます。ほとんどの農家は認証は受けていないものの、伝統的な有機的な農業栽培を続けています。
雨季が年に2度あり、それ以外はほとんど雨が降りません。2~4月に降雨に雨が降るとコーヒーは花をつけ、平均して10月頃から収穫が可能になるほど実が成長します。収穫は完熟のピークに集めることが重要で、異なる枝の中でも熟度が異なる場合は、完熟した頃合いを見計らい、収穫しています。
乾燥工程も、庭先に日干しレンガを敷き詰め、天日でチェリーの水分を飛ばし黒紫色になるまで乾燥させます。この乾燥中にも温度の変化で発酵の度合いが変わり、各農家で風味の差が表れます。スペシャルティコーヒーという概念が若干ですが波及しているエリアも出てきたたため、熱心な農家は、味の再現性を高めるため近年は網を張ったドライテーブルや、小さな屋根を組んで日陰にして乾燥工程を行ったりと、少しづつですが、改良、効率化がなされてきています。
一方で、各農家でそれぞれ異なるレシピで仕上げられたコーヒーを輸出業者の工場で脱穀して、良い意味で程よく均一でない状態でブレンドされることもまだまだ多く、またそれがイエメンの力強さ、多層的な風味の構成のひとつととらえている部分もあり、実際にまだ大部分が伝統的な栽培から流通を経て我々の手元に届けられています。
ひと昔前のタンザニアや、エチオピアの高地のコーヒーは原始的とも感じられる力強い香りを有していたものも多くありましたが、流通が少なくなったといわれるのは、インフラの整備や、乾燥設備(ドライテーブル、ドライヤー)が整ってきたことも多少影響しています。
ベリー、オレンジピール、ワインなどの様々なフルーツ、花の香り、かすかなシナモンなどのスパイスの要素、どこかエキゾチックさも感じられ、特にイエメンコーヒーは多層的で複雑といわれます。
甘く複雑でエキゾチックな味わいをお楽しみください。
▼バニーマタル
サナア県はイエメンの首都であるだけでなく、イエメニアスペシャルティ/プレミアムグレードコーヒーの最も有力な産地であり、特に有名な産地として、ヘイマ・ダキリヤ、ヘイマ・カリジヤ、バニ・マタル、バニ・イスマイル、ハラーズを有しています。
バニーマタル地区は、サヌア州の南西部のアラビア半島最高峰のナビ・シュアイーブ山(標高3,666m)を囲むように位置しています。日本でもよく耳にする「モカ・マタリ」という言葉は、ほとんどバニーマタル産のコーヒーを指します。