【相場レポート】直近の相場変動について
森内勇登 |
【相場】アラビカコーヒー先物相場変動ついて
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お取引先様 各位
平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
ここ数日の大きな相場変動について、レポートをさせていただきます。 ■サマリー ▼アラビカ ・7/22(木)の9月限アラビカコーヒー相場は前日比USC+17.65/ポンド(+10.03%)、 週明けはUSD200-206/ポンドで推移しています。 ・アラビカコーヒーの価格は、ここ3日間で21%以上も上昇。 ・アラビカコーヒーは6年半ぶりの高値に、ロブスタは3年半ぶりの高値に急騰。 ▼ロブスタ 9月限ICEロブスタコーヒー(RMU21)は前日比+6.18%高で取引を終了。
<所感> ・足元の世界現物在庫は余剰と一報も出ているが、売り手が決まっている場合も多く、実際に余っている現物浮遊玉は減少している。 ・大幅な海上運賃の上昇とコンテナ不足により、バイヤー側は、例年より多めに在庫確保する動きがあり、価格の下支え効果が高い ・先物のファンドが価格のつり上げを狙っているともとれるが、現実の需要ではコロナをある程度克服した国では、 旺盛な消費活動があり、需給バランスとしては需要過多、 ・今後の気候の予測とブラジル全土のコーヒー栽培進捗次第によっては多少の反落はあるも、 全体世界的には収穫量減に合わせてコロナ後の需要拡大が見込まれることから、 大幅反落は見込めず、高値横ばいで推移する可能性は高い。
■足元先物相場変動要因(主にブラジル) 〇上げ要因 ・干ばつと霜の2つのリスクにより、今年のブラジルのコーヒー作物が壊滅的な打撃を受けるとの懸念から、アラビカコーヒー先物にファンドの買いが加速。(※後述) ・木曜日、気象衛星画像を研究する企業がが7月28日から30日にかけてミナス・ジェライス州に霜が戻ると予測したことで、コーヒー価格の上昇がさらに加速。 〇下げ要因 ・先週月曜日にCeCafeが発表したブラジルの6月の生豆輸出量が前年同月比+0.4%増の273万袋であり、 6月に終了した2020/21年シーズンでは、ブラジルのコーヒー総輸出量が前年同月比+13.3%増の4560万袋を記録した。 ・国際コーヒー機関(ICO)が7月5日、2020-2021年のコーヒー余剰予想を前回の202万袋から+12%増の226万袋に引き上げた。
※ブラジル霜害について ・Minas Gerais南部の一部では27年間で最も寒い気温となっている。 ・水曜日にある農業気象学研究所Rural Climaが発表したところによると、 ミナス・ジェライス州の霜によるコーヒーの木へのダメージは "非常に大きい "と一報を伝えました。 ・霜は木の葉や枝を焼き、ブラジルの2022年のクロップの見通しを阻害する可能性が大きい。 ・コーヒーの木は2年周期で、22年クロップにはより多くの生産量が得られるように設定されているため、来年の相場を見通すには重要。 ※ブラジル干ばつについて ・ブラジルの収穫統計機関であるConabは5月25日、2021年のブラジルのコーヒー生産量が前年比23%減の4880万袋と4年ぶりの低水準になると予測。 ・コーヒー価格は、ブラジルでの雨不足ですでに上げ相場に入っていたが、追加で19日(月)、国内最大のアラビカ生産地であるブラジルのミナス・ジェライス州で先週は降雨がなく、2週連続で降雨がなかったと報告。
■その他 ・先週木曜日にグリーンコーヒー協会が発表した米国の6月生豆在庫は、 前年同月比18.2%減の577.9万袋となり、米国のコーヒー供給量が減少したことは、価格を下支え。 ・コロンビアの全国コーヒー生産者連盟のCEOは先日、コロンビアのコーヒー輸出は再開されたが、遅れている出荷に追いつくには2ヶ月かかるかもしれないとコメント。 ・コロンビアの5月のコーヒー輸出量は、最近の道路封鎖により生産者が豆を港に送ることができなかったため、(コロンビア政府が4月に発表した新税制改革法案に対する抗議行動) 前年同月比52%減の42万7千袋と。
■ロブスタ ▽詳細 ・世界最大のロブスタ生産国であるベトナムからのロブスタコーヒーの供給が減少していることも、 9月のロブスタコーヒーの価格を支える要因。 ・ベトナム統計局が先週火曜日に発表したところによると、ベトナムの1-6月期のコーヒー輸出量は前年同期比10.3%減の84万3,319トン。 ・ICOが先週火曜日に発表した10-5月の世界のロブスタコーヒー輸出量は、前年同期比-4.2%の31,435百万袋となった。 以上、長文となりまして失礼いたしました。 ご査収くださいますよう、宜しくお願い申し上げます。 |